こんにちは。占い詐欺・霊感商法返金『占いバスターズ』です。
本日は占い師けんけんTVで配信中の動画より「クロワゼット」について解説していきたいと思います。
↓動画はこちらになります。
このように非常にシンプルなリクエストを頂きました。ありがとうございます。
でもクロワゼットって一体なに?食べ物?スポーツ?人名?
まったく知らない人からしたら、クロワッサンの変異主かと思いますよね。
クロワッサンは美味しく食べられますが、クロワゼットという人物は食えない野郎でございます。
まさに卑劣中の卑劣。卑怯オブ卑怯。
ひらたく言うとクズ人間なんですが、今日はクロワゼットについて話していきます。
①世界でただ一人霊視で事件を解決した男
項目名、カッコいいでしょ?
デヴィッド・ボウイの世界を売った男並みのカッコよさです。
しかし実際にそう呼ばれている人間が存在しています。かつてオランダに、驚異の透視能力で難事件を次々と解決へと導く超能力者がいました。20世紀最高、いや史上最高のサイコメトラーとも呼ばれる男性、それが今日僕が話をするジェラルド・クロワゼット氏でございます。
皆さんの中には漫画サイコメトラーEIJIを読んでいた人もいるでしょう。まさにアレの現実にいたバージョンです。
サイコメトリーとは、超能力の一種で、能力の範囲の厳密な定義はありませんが、最も主な特徴は、物体に残る人の残留思念を読み取ることであります。とりわけ、液体に思念が残ることが多いとされ、テレビ番組などでは湖や沼などで能力が使われることが多いです。
サイコメトリーという言葉は、アメリカの神霊研究家でありますジョセフ・ローズ・ブキャナン氏が提唱した用語であるとされています。
サイコメトリーを備えた人間の事を一般的には「サイコメトリスト」と呼称するんですが、漫画『サイコメトラーEIJI』では語呂のよさから「サイコメトラー」という造語を使用しています。
それによって、SF漫画『ガンム』などにみられるようにサイコメトリストを用いるのが本来的でありますが、
漫画『サイコメトラーEIJI』の影響により、サイコメトラーという単語も日本では一般に浸透しています。
ジェラルド・クロワゼット氏は少年期から人の死を言い当てる能力を持っていたそうですが、その能力が本格的に開花したのは1945年でした。ユトレヒト大学のウィルヘルム・H・C・テンヘフ教授が行いました、超心理学に関する講演を聴講したのがきっかけでした。
クロワゼット氏は講演のあと、自ら被験者になって透視能力のテストを受けることを希望します。
見事にその超能力を発揮しました。テンヘフ教授によりますと17人の霊能者や超能力者をテストした中でも、クロワゼット氏の能力は群を抜いていたといいます。
そんなクロワゼット氏は、自らの能力が必要とされるときはすぐに応じられるように、ユトレヒト大学の近くに引越しました。そして警察などから依頼があると、難事件を解決するべくサイコメトラーとして力を発揮し、実際に数多くの事件を解決へと導きました。
中でも1979年に、オランダのヴォードリヘムで起きました連続放火事件では、ヴォードリヘム警察署のイーコフ署長自ら、クロワゼット氏の透視能力へのお墨付きが与えられたほどであります。
この事件を記録したテンヘフ教授は次のように述べています。
「聞き取りの内容はすべてビデオテープに録画されている。そしてビデオの内容はすべて調書として起こされ、イーコフ署長によって署名がされている。」
という話です。これだけでも十分にすごいのですが、彼の功績は他にもあります。
1976年5月には日本の番組内で、行方がわからなくなっていた当時7歳の女の子の透視を行い、警察も見つけることが出来なかった女の子の遺体をダムで見事に発見してみせました。
警察よりも早く見つけたことを考えれば、ヤラセの可能性はありえないですよね?
これらのことからも、クロワゼット氏の透視能力が本物であることは揺るぎない事実だと言われました。
クロワゼット氏といえば、いわゆる「サイコメトラー」として最も有名であり、なおかつ群を抜いて優秀だったと言われる超能力者です。また、近年日本へよく訪れていた超能力者捜査官たちの先駆的存在でもあります。ジョン・マクモニーグル氏とかですが、あの辺のいわゆる走りになります。
と、そんな風な文章でよく紹介されているだけで、まぁ当たり前なんですが、正体は最高の超能力者ではなく普通のインチキ野郎です。
ただ先ほどから僕が読んできた文章、クロワゼット氏の能力で警察から依頼を受けて、難事件を解決するべくサイコメトラーとして力を発揮し、実際に数多くの事件を解決へと導きました。
これが事実だったら、ガチですごいですよ。正真正銘その通りなら、僕も大槻教授もメンタリストDaigo君も認めざるを得ないでしょう。
ただ、もちろん実際にはそんな訳がないのです。
ではどの部分が違ってくいるのでしょうか?ちゃんと種明かしをしていきましょう。
②ヴィールデン事件
さて、実際の事件できっちりインチキ野郎のメッキを剥がしていってやりましょう。
この項目からは、クロワゼット氏が関わった代表的な事件を見ていきましょう。
まずはオランダで起きたヴィールデン事件です。この事件は、オランダのヴィールデンに住む若い女性が帰宅途中に何者かに襲われたというもので、犯人はハンマーを使って女性を襲撃しました。
テンヘフ教授の記録によりますと、クロワゼット氏は警察の要請により捜査に協力しました。
事件後、現場に残されたハンマーを手に取りますと、次のように語ったといいます。
いわゆるハンマーから残留思念を読み取るという作業ですね。
犯人は、黒髪の背の高い男。歳は30歳前後。左の耳が奇妙に変形している。
と言いました。また凶器となりましたハンマーは犯人の所有物ではなく、白い家に住んでいる犯人の知人のものだとサイコメトリーしました。
さらに実際に犯人が逮捕されますと、透視結果どおりのことを白状したともいいいます。これが本当だったらすごいですよね。
しかし現実はそんな訳はないんですよ。
この事件を調査しましたウェールズ大学のC・E・ハンセル教授によりますと、実際にヴィールデン警察に問い合わせをしてみますと、事実は全く異なっていたことが判明したのだといいます。
そもそも警察はクロワゼット氏に依頼などしておらず、彼がこの事件に首を突っ込むようになったのは、被害者の女性の親戚が頼んだためでした。
また、事件を解決するにあたって警察は独自に犯人を見つけていたといいます。
さらに肝心のサイコメトリーの詳細についても、犯人の耳は普通の耳で、なおかつ犯行に使われました凶器のハンマーは最後までどこで入手したものか不明だったというのです。
つまり、このヴィールデン事件のクロワゼット氏に関する話は、ほとんどがホラ話だったのです。
なんともお粗末な結果でした。
③グレネルグ・ビーチ行方不明事件
続いては1966年1月26日に起きた事件です。
この日、オーストラリアのアデレードの近郊のグレネルグ・ビーチから、
当時9歳のジェーン、
当時7歳のアンナ、
当時4歳のグラント
の3人が行方不明になりました。
すぐに地元の警察によって大がかりな捜査が行われ「背の高いブロンドの男性」と共に3人が泳いでいたのを見た、という目撃証言は得られたものの、それ以上の情報はなく捜査は難航しました。
クロワゼット氏の支持者はこの事件を聞きつけました。
そして3人が行方不明になったグレネルグ・ビーチの写真をヘリコプターを使って撮影しました。
さらには、この事件を報じた新聞や雑誌などの切り抜きと共に、オランダにいるクロワゼット氏のもとへ送りました。
早速サイコメトリーを開始したクロワゼット氏は、3人はすでに殺害され、遺体は埋められていると透視しました。
彼の指示によっていたるところが掘り起こされたものの、結局、手がかりは何一つ得られませんでした。しかし彼はめげませんでした。
翌年、再びアデレードに乗り込みますと「子どもは新しく建設された食料倉庫の地下に埋められている」と再透視しました。地元の捜索隊は、この透視を信じて掘り起こしを行えば7000ドルもの費用が掛かるため抵抗しましたが、市民の委員会によって押し切られました。
ところが結果はやはり、何も見つからずに終わってしまったのです。
なんて迷惑な奴!?
そもそも透視などこの世にまず無いのに、
勝手に死んだとかどこかに埋められてるとかほざいてるんです。
遺族からしたらムカつきますが、時代が時代だったからそういうものを信じている人がまだ多かったのかもしれませんね。
④ヴォードリヘム連続放火事件
続きましては、オランダのヴォードリヘムで起きました連続放火事件についてです。
この事件はジャーナリストのピート・ハイン・フーベンス氏が、直接イーコフ署長に会って真相はどうだったのか調査しています。フーベンス氏によりますと、署長がクロワゼット氏と会ったのは1977年11月で、テンヘフ教授の話とは2年もずれていました。
そして、この事件についてクロワゼットが署長に語った話が録音されているテープを聞かせてもらいましたところ、テンヘフ教授の記録はまったくの作り話で、事実と大きく異なっていることがわかったといいます。
そもそもこの事件の犯人について、クロワゼット氏は、次のように透視したとされていました。
放火魔は男だ。制服を着る仕事をしていて、アパートに住んでいる。おもちゃの飛行機と関係がある。と語りました。
(確かにのちに逮捕されました犯人は警察官で模型飛行機が趣味ありました)
警察は制服を着る仕事だから当たってますし、おもちゃの飛行機も正解です。
ところが実際には「制服」などとは一言も言っておらず、
なおかつ「おもちゃの飛行機」についても一言も語っていなかったというのであります。
さらに「ビデオの内容は調書にまとめられ、イーコフ署長によって署名されている」という話についても、実際に署長に聞いてみますと「そんな調書は見たことすらない」と証言したといいます。
と、どうやらこのようなガセ話を見る限り、どうやクロワゼット氏の【伝説】の元になっているテンヘフ教授の話は、著しく信憑性に欠けると判断せざるを得ないですね。
⑤美和ちゃん事件
実はこれについてもコメントを頂いておりました。
実はこのコメントの通り、クロワゼット氏は驚異の的中例を誇る超能力者として宣伝され、日本の番組へやってきました。
この番組は1976年5月5日にNET(現・テレビ朝日)の「水曜スペシャル」で放送されました。
当時行方がわからなくなっていた7歳の少女の遺体をクロワゼット氏が透視によって発見したことで大変話題になりました。
そのときの視聴率は30.5パーセントを記録し、放送時には3000本もの電話がかかってきて大反響だったといいます。
30%ってすごいですよね、そりゃコメント主さんも未だに覚えていますよね。
ではまず事件について情報を整理しておきましょう。
種明かしはそういった組み立てが大事になってきます。時系列で話していきますね。
・1976年5月1日の午後5時過ぎ頃、当時7歳だった菊池美和ちゃんの行方がわからなくなりました。 ・5月3日の夕方、クロワゼット氏が来日します。 ・5月4日午後5時にクロワゼット氏が美和ちゃんについて透視を開始しました。 ・同日の夜、透視結果を受けまして、番組のスタッフが現場の千葉県市原市に向かいました。 ・同日の深夜まで、クロワゼット氏の透視と一致する場所が次々に当たっていく様子を撮影しています。 ・5月5日の午前6時半、クロワゼット氏が遺体がある場所として透視しておりました山倉ダムをスタッフが捜索開始します。 ・5月5日の午前6時53分、撮影し出してから23分後、ダムに浮かぶ美和ちゃんの遺体を発見しました。そして、その一部始終がきちんとカメラに収められました。 ・5月5日の午前7時半、通報を受けた警察が現場へ駆けつけ、遺体が美和ちゃんであることを確認し、現場は騒然となりました。 ・5月5日の午後7時半、NETテレビの「水曜スペシャル」にて、それまでに撮影された映像が放送され、大反響を呼びました。 ・後の警察の調査の結果、美和ちゃんは一人で遊んでいた際、足をすべらせてダムに転落し、溺死したことが判明しました。 |
流れとしては上記のとおりです。ここで大きな影響を及ぼした透視結果は本当にクロワゼット氏の「超能力」によるものだったのでしょうか? 実は大きな疑問が投げかけられています。
美和ちゃん事件のクロワゼット氏の透視については、当時の週刊誌がこぞって取材しています。それらをまとめてみますと次のような点がわかってきます。
・山倉ダムは一度、警察によって周囲を捜索されていました。そのときは未発見だったものの、もしダムに転落していた場合、次のことが考えられました。
水死体は一度、底まで沈んだ後、腐敗によるガスがたまって浮き上がってきます。その時間は水温によって異なりますが、法医学による計算では5日頃に浮いてくる可能性がありました。
・ダムの再捜索は5月5日に設定されており、当日は午前9時半から総勢290名の大捜査網でダムを探す予定でした。
・NETテレビのスタッフが2人、それぞれ5月2日と3日に事件現場を訪れ、取材していました。さらに警察の捜査本部がある場所にも顔を出していました。
・もともと5月5日の夜の番組は生放送でクロワゼット氏に透視をやってもらう予定でした。
ところがその予定は前日に急遽変更になり、4日に透視の様子が前撮りされ、スタッフがその日の夜に現場で事前の撮影を済ませ、5日の早朝にダムの捜索をする様子が強行撮影されていました。
・クロワゼット氏に情報を教えていた場合、通訳を介する必要がありますが、通訳は4日の夕方に透視が始まる前に交代になっていました。その通訳には取材ができませんでした。
つまり以上の情報を考慮していれば、そもそも遺体がダムにあることを予想することは十分にできたと考えられます。
結果が派手になってしまった為、つい、すごいことが起きたと勘違いしてしまいがちになってしまうものの、本来、捜索隊が約2時間半後には発見していたであろうことには留意しておきたいですね。
ちなみに同じ5月5日に放送された番組では、実はこの美和ちゃん事件以外にも、クロワゼット氏は2つの事件を透視していました。
更には同じ年の12月15日に来日した際にも追加で2つの事件を透視していました。ところが、これら4件の事件についてはいずれも解決にはまったく至らなかったため、現在ではこれらの透視が行われたこと自体、すっかり忘れられています。
まぁ結局は誰もが予想できた美和ちゃん事件だけが偶然当たって、他は何も当たっていない、要するに通常のジーン・ディクソン効果に他なりません。全て想像通りでした。
⑥最も腐ったパターン
いつも話していますように、今まで世界に超能力者や霊能者という事実はたったの一件、一人も見つかっていません。
そういった人間はすべてお約束の中でしか何も出来ませんし、本当に未解決事件をそういった能力で解決した事はこの惑星の歴史史上いまだゼロ件です。
当然ですが。ちなみに霊によって死んだ人、怪我した人、病気になった人、逆に病が治った人も未だにゼロ件でございます。
超能力者や霊能者と名乗っている人間の100%は、そのよくわからない能力の効果を謳っているのは本人か騙されている信者達のみです。
しかしなぜクロワゼット氏が最も腐ったパターンなのかというと、そのガセ情報を立場のある大学教授の人間が公言している所です。
本人やよくわからないオカルト信者が
あの人すごい!
〇〇を予言してた!
と騒いでたとして、こちら側も
はいはい、また言ってるよ~
となりますが、大学教授という立場のある人間がいうと信憑性が違ってきますし、信じる人間も増えます。いわゆるハロー効果、後光効果、肩書の法則という奴ですね。
マルチやねずみ講なんかはこの辺りをよく利用しています。
あやしい商品の説明を「あの〇〇大学の〇〇教授も推薦!」的な提灯広告を観た事は今までないでしょうか?残念な事に一部のお金に負けた、権威者はそういうのに手を貸してしまいます。
クロワゼット氏の場合はテンヘフ教授ですね。テンヘフ教授の場合は業界で有名になりたかったのか一緒にお金を稼ぎたかったのか、クロワゼット氏の捏造記事を次々に世に送り出しました。
ちょっと話を盛っているとかではなく、ガチガチに嘘を作ってますからね、確信犯でございます。
大学教授が手を出すパターンとしては業界で名を売りたいというのが今までもちょくちょくありますね。よほど学会で馬鹿にされてきたのか、なにか功績を残したいのか知りませんが、今までも稀に見かけましたね。
日本でも昔まったく同じケースが存在しました。
皆さんもご存知かと思いますが福来友吉氏と御船千鶴子さんです。福来友吉氏なんかは東京帝国大学助教授ですからね。今の東大ですよ。これがガッチガチに御船千鶴子さんと組んでトリックをやってました。いや、むしろ、御船千鶴子さんにやらせていたと言っても過言ではないでしょう。リクエストがあれば、また御船千鶴子さんの動画も作りますが。結局、福来友吉氏はいかさまがバレて、学会を追放されていますからね。
またちょっと新しいめで言うと、ベル研究所のヘンドリック・シェーン氏が有名ですね。
偽の研究結果をでっち上げた男です。まぁ彼も最後は学位を剥奪されていますから、そこそこ学歴や地位があってもインチキする奴がいるって事です。
しかしその効果は絶大で、僕らの頭の中には「そんな超有名大学に行ってる人が」とか「そんな博士が」、不正をするわけが無いだろう、嘘をつくわけがないよな、という先入観を持っているから厄介です。
しかし、霊視や霊媒、そんなものによって生活が豊かになったり、病気になったり、または治ったり、未解決事件が解決すること等は絶対にありません。
ですから、皆さんも今後はそういうトリックに騙されない、そんなオカルトにはお金を使わない事だけを徹底してください。
⑦まとめ
僕らが住んでいるのは現実世界です。漫画やドラマの中とは違いますから、自分の行動や努力以外で悩みが解決したり、大金が入ってきたりする事は無いのだけは肝に銘じておいてください。
という訳で、本日はクロワゼット氏について話させて頂きました。
この記事へのコメントはありません。